【コロナに負けない株】日本版Shopifyの今後に注目
今回は新型コロナウイルスのマイナス影響を受けて株価が下がった日本版Shopifyについて紹介します。
その企業は「BASE」です。
BASEは昨年10月に上場したEコマースプラットフォームを提供している会社です。
米国市場を見ていると、Amazonの株価は当初は下がりましたが、現在は大変好調です。需要に追いつかないので、従業員を増やしたと報道されています。
BASEもAmazon同様ECプラットフォームですが、好調とは言い難いものです。
Apple提供アプリ「株価」より
この1ヶ月で復調している形ではありますが、新型コロナウイルス前の株価まではまだまだ戻っておりません。
では、BASEは新型コロナウイルスのマイナス影響を受ける企業なのか見ていこうと思います。
【強み】
BASEの強みは、「ネットショップ開設から運営までの必要なサービスを全て提供していること」です。
BASEが提供しているサービスは4つです。
- ネットショップ作成
- ショッピングプラットフォーム
- 資金調達サポート
- オンライン決済
この4つを提供することによって、「簡単にネットショップを開設させることができ、BASEのプラットフォームと決済サービスを簡単に利用して販売し、売上の予測から製品ラインナップ拡大の資金も調達できる。」というワンストップサービスを可能にしているのです。
新型コロナウイルスの影響で、多くの小売店における対面販売は大変苦しい状況にあるはずです。
だからといって、いきなりECに参入するのはなかなか羽が折れます。
また、来月の運転資金が確保できるか定かでない中小企業が沢山あります。
この状況はBASEにとって導入企業を増やすには最適なシチュエーションではないでしょうか?
BASEにとって、ネットショップ開設を模索する企業や個人をサポートすることが、彼らの将来的な取扱高や売上、利益へとつながっていくからです。
今回の新型肺炎により、BASEの導入実績は大きく跳ねると考えます。というのも、ネットショップをやったことがない企業はリスク分散の意義を感じるはずだからです。また、初のネット販売により、その恩恵をポジティブに捉えるはずです。そのため、彼らがBASEの今後のロイヤルカスタマーになってくれるでしょう。
【財務状況】
理想的な状況でありながら、BASE自体が資金ショートしたり、元々の投資家が求めている成長期待を下回ってしまったら、元も子もありませんよね。
「損益計算書」2019年12月期決算説明資料より抜粋
新型コロナウイルス前の決算内容のため、その影響は全く加味されていません。
ただ、売上高と粗利益は大きく成長を続けており、将来営業利益ベースで黒字になれると予感できます。
キャッシュフロー計算書を見てみると、
「キャッシュフロー計算書」2019年12月期決算説明資料より抜粋
現預金は70億円以上ありますので、燃焼レートを考えても、まだ余裕があります。
財務CFがプラスになっています。これはIPOしたことにより、約18.8億円の資金調達が出来たのでしょう。
営業CFは8億円以上の黒字です。営業利益ベースではマイナスですし、関連する税引等調整前当期純利益は4.5億円の赤字です。プラスな理由は、営業未払金が多いからです。(あまり良いことではないです。)
しかし、営業未払金に対して、営業預かり金や未収入金を見ると、大きな障害とはならないと考えます。
これらのことから、仮に燃焼額を年間4億〜5億円と想定した場合、BASEの資金余力からすると、あと3年は持つため安全であると考えます。