【資産を守りながら増やそう!】リスクと期待収益のコントロール方法
今回は資産運用をやられている方にとって最も重要なポートフォリオ(以下、PF)の運営方法・運用における期待収益目標の立て方について説明出来ればと思います。
◆β(ベータ)
唐突ですか、、、
皆さんは、運用しているPFのβ(ベータ)は把握されてますか?
私のポートフォリオのβは1.1です。
この言葉の意味は分かる方は多いとは思いますので、釈迦に説法でしょうが、β(ベータ)とは、個別証券またはPFの収益が証券市場全体の動きに対してどの程度敏感に反応して変動するかを示す数値のことです。
具体例を挙げると、私のPFのβ(ベータ)が2.0の場合、株式市場全体が10%上昇したら、私のPFの価値は20%上昇します。逆に株式市場全体が5%下落した場合、私のPFは10 %下落します。
このように、β(ベータ)というのは、市場への感応度を表しています。そのため、IPOしたてのベンチャー企業だとβは大きくなる傾向にある一方、大手通信会社等はβが低くなる傾向にあります。
比較してみましょう。
・Verizon Communications:β値=0.4
・NIO(新興の中国版TESLA):β値=2.81
参考資料:Apple「株価」アプリより
元データ:Yahooファイナンス
このようにNIOのような新興企業とVZのような大手通信会社では全くβ値が異なることがわかるかと思います。このようにβの理解があれば、NIOに投資を考える場合、市場全体へ投資するよりも2.81倍リスクがあると数値的に理解できます。
全ての投資家はギャンブラーではないと思いますので、きっとボラティリティがえげつないNIOやTESLA、PLTR、SNOW等の企業群のみに投資する人はいないと思います。しかし、皆さんお金を稼ぎたいので、ハイリスクでも新興のグロース銘柄へ投資したいですよね。実は私自身もたくさん投資しています笑
アグレッシブに投資していても、リスク指標であるβを極力抑えられるようポートフォリオを組んでいるからこそ、私は安心して投資が出来ております。
例えば、ベライゾンやフィサーブなどといった安定感があり、5Gやフィンテック領域で華を開く可能性が高い企業への投資をしつつ、NIOなどの新興企業へ投資をすれば、きちんとβ(ベータ)を抑えることが可能です。
私は上記のやり方で1年8ヶ月で投資資産を3倍に増やすことができました。
もちろん損失を出したこともあります。
株や仮想通貨は絶対に上がるor下がるなんてことはインサイダーでもない限りわかりません。もしかしたら、ラッキンコーヒーみたいに粉飾決算が発覚するみたいな個別のリスクがいきなり降りかかるかもしれません。こういった不確実性に対応するためにも、しっかりと資産を分散しながら、適度なタイミングで利益を確定させていくのが重要だと思います。
◆期待収益
では、皆さんが資産を分散させて投資を実施したとします。その際に、「いつ利確すんの?」という疑問が浮かぶかと思います。
利確というのは、私からすれば、リスクを負った分、しっかりとリターンをくださいよ、ということだと思っています。
では、期待しているリターンってどう算出しますか?
私は余程のことがない限り、期待収益以下で売ることはほぼありません。
その算出方法は、個別企業のβ値と投資している市場の10年国債、そしてマーケット自体のリスクの3点を用います。
計算式はめちゃくちゃ簡略化すると以下です。
期待収益
=10年国債利回り+β × 6〜8%
6%〜8%というのは、基本的な米国株式市場のマーケット自体のリスクです。この数字は米国株式へ投資している人全員が負っているリスクです。(もちろん株式市場全体が新型コロナや金融機関などでブレる時があり、その際は跳ね上がる時もあります。)
例えば、VZ(ベライゾンコミニュケーションズ)の期待収益率を計算するとします。
- VZのβ値=0.4
- 米国10年国債の利回り=1.11 %
- マーケットリスク=7%(参考値)
参考:福岡銀行マーケット情報
URL:https://www.fukuokabank.co.jp/market/?contents=tb10y/f
計算すると、
期待収益=1.11%+0.4×7%
=3.91%
となります。VZへ投資する場合、そのリスクを考慮すると3.91%以上リターンないと良くないよということです。これ以下ですと、リスクを負ったにも関わらず相応のリターンを受けれていないということになります。
ちなみに仮想通貨についてはβ値がないと思いますので、もし計算に入れる際は、β値はリスクがかなり高いと考えて、3.0程度を利用するか、仮想通貨へ大きく投資しているSQ(スクエア)やリミックスポイント(3825)のβを活用するのが良いかもしれません。ただ、スクエア等は他の事業がある影響をβが受けるので、それよりも0.5程度は上に見積もる方が良いと個人的には思います。
この方法によって、リスクをどこまで許容するからどの程度のリターンを望むのかを数値化して可視化することで、自身の投資成績が優秀なのか、何かいけないのか、リスクとリターンが想定内なのかを確認することができます。
もし良かったらぜひ活用してみてください。
※投資は自己責任です。