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【未来のテンバガー⁉︎】金融向けSaaS企業:エヌシーノ($NCNO)の分析

 

最近、ある企業の日本法人が三菱UFJとSMBCといったメガバンクグループのベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けた、金融向けSaaSを展開する企業を知ってますか?

昨年IPOした新進気鋭ですが、すでに時価総額は6,600億円を超えている大企業です。

 

エヌシーノ($NCNO)

今回の記事対象です。

エヌシーノはセールスフォースを土台にして、銀行体験最適化プラットフォームを展開しています。

カッコ良い事業名ですが、結局何を提供している会社なのかよく見てみましょう。

 

◆提供サービス

エヌシーノが提供しているサービスが主に3つです。

  • ホールセールバンキングソリューション
  • リテールバンキングソリューション
  • 顧客エンゲージメントソリューション

 

ホールセールバンキングソリューションは、対顧客チャネルと行内のホールセール業務を統合したプラットフォームのことです。顧客が新規口座開設や融資申請を行うと、その同じプラットフォーム上で行内の申請受付、審査、融資残高管理を行われ、飛躍的な業務効率化を実現することができます。また金融機関や顧客だけでなく規制当局等の第三者機関向けのポータル機能も実装しており、セキュアな環境で文書のやり取りを行うことで審査・監査の時間を短縮します。

この結果、貸付能力が従来の300%向上、年間融資契約締結数が156%増加、部署間コミュニケーションのスムーズ化・効率化につながっているとエヌシーノが述べています。

 

リテールバンキングソリューションは、行員と顧客のコミュニケーションを向上させます。新規の申込みからバックオフィス業務までnCinoのプラットフォームへ統合し、更にモバイルアクセスにより業務効率の大幅な向上を実現することができます。顧客から行内へはへシームレスに情報が流れ、新規顧客獲得、文書管理、口座開設、個人ローンなど様々な個人向けサービスの業務を、支店・自宅問わずオンラインで24時間毎日行うことが可能になります。これにより、ローン審査の自動化の自動化・預金/ローン残高の向上につながっていきます。

 

エヌシーノの顧客エンゲージメントソリューションは顧客向けポータルと行内業務システムが完全に統合されているため、金融機関はシームレスな顧客体験を提供することができます。現在の銀行は、数多くのレガシーなシステムを利用していますが、対個チャネルと行内の業務システム間が連携されておらず非常に非効率で膨大な時間とコストがかかっていました。このサービスを活用することで、顧客は融資の申請、口座開設、商品やサービスの申込み状況の確認を完全にデジタルで行うことができ、時間・場所を問わず文書のアップロードをすることが可能になります。

 

これらサービス概要からもわかるように、エヌシーノは、CRMサービスを通して、融資スピード・契約数の向上、業務作業の効率化、コスト削減で金融機関に貢献して行っています。

 

◆財務データ

最も気になるのは、エヌシーノの売上成長率ですね。まずは3年分の成長を見てみましょう。

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参考:Investing.com

2018年:58.1万ドル

2019年:91.5万ドル(前年比:57.5%増)

2020年:138.2万ドル(前年比:51.0%増)

順調に伸びていっていますね。

直近四半期ベースでも見てみましょう。

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参考:Investing.com

20年第一四半期:44.7万ドル

20年第二四半期:48.8万ドル

20年第三四半期:54.2万ドル

合計(9ヶ月分):147.7万ドル

四半期ベースでもきちんと伸びていってくれてますね。すでに前年と比べて売上が上回っています。今後は買収やサービス統合などを含めてどんどん成長していってくれると考えています。

残念ながら営業利益を見てみるとまだまだ赤字ではありますが、まだ収穫時期ではないと誰しもわかっていると思いますので注目しません笑

 

BSに関しては、画像を見ると分かるかと思いますが、全然負債がないので、まだまだ安定していると思ってもらって構いません。

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参考:Investing.com

CFについてもまだ投資フェーズなため、FCFはマイナスでもまだまだ気にしなくても良いレベル感です。それよりも、私が最も注目している点が投資CFです。

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参考:Investing.com

今年度に入ってからの投資CFが大きく減っています。これはすでにソフトウェアが完成形に近く投資がそこまで必要ない状態になっていると考えます。もちろん営業・マーケ費用が大きい状態なので、営業損失はまだ続くかと思いますが、ある程度の金融機関を獲得できればもう大きく利益が創出される流れになれるだろうと予測できます。

 

これらの財務データからわかることとして、エヌシーノの強い点は、売上成長率の高さ・コストをコントロールできるような構造・安定した資本構造だと思いました。

 

最後に株価とその評価状況がどうなっているか見ていきましょう。

 

◆株価と評価

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参考:アップル「株価」-情報ソース:Yahooファイナンス

IPOした年度もあるため、株価はブレブレです。

現在はほぼ年安に近いレベル感ですね。

最近はロックアップ解除の懸念があったので、特に下がっていた印象ですが、元々株価は売上や利益を考慮すると非常に高い状況です。

私自身はエヌシーノに運用資産の8%を注いでいます。相当高い株価ではありますが、大変期待しているので、将来的にはフィサーブ(FISV)のようになってほしいと思っています。